ヨガではどうしても大きな筋肉ばかりにフォーカスされがちですが、
身体の中にはとてもとても小さな筋肉もたくさんあって、それらは何一つとして無駄なものはなく
そのひとつひとつが、私たちの人生を、いつも全力で支えてくれています。
この日の陽射しは有り難すぎるくらい、ぽかぽかと心地よかった日曜午後のストレッチ。
日頃の疲れを癒しにきてくださる方もいれば、
ハードなヨガをした後のケアとして、参加してくださる方もいらっしゃいます。
クラスでは途中、私がツボ押しなどをさせてもらっていて、ほかにはないそのオリジナル性こそ、強い人気の秘密。
この日は手首から肘までの、大腸経のいくつかの経穴を押させていただきました。
大腸経の経絡が流れる前腕後面は、5本の指の伸展筋がいくつも重なった場所でもあります。
ダウンドッグや、プランク、チャトゥランガ、その他アームバランスなどで指先のミスアライメントがあると、手首に負担をかけてしまいますが、
それが原因でこれらの筋肉に疲労を溜め込んでいたのは、
何を隠そう、この私。
つい夢中でプラクティスにのめり込んだヨギたちには、よくありがちなパターンです。
触れさせてもらうと、パソコン作業が多い方は結構コリコリ。
そしてキーボード上ではほとんど使わない母指(親指)ですが、
実はもしかしたら、その時の母指の伸展筋は、いちばん緊張を強いられながら頑張ってくれているかもしれません。
キーボードから親指を浮かせている状態が、その時です。
林檎やじゃがいもの皮剝きだって、ナイフや包丁を使えば、この筋肉が大活躍しています。
OLさんも、主婦の奥様も、上級者のヨギーニも、「あ痛たたた...>.<」なんていう声をもらしていらっしゃいました。
自分の身体は、自分自身そのものなんだけど、
多くのことを知らないままでいる身体の内側の世界。
いまなお深い謎だらけで、神秘に満ちた世界ですが、
触れたり動かしたりすることで、内側からの声を受信することができます。
感じる心地よさ、あるいは痛さは、身体からのメッセージです。
その声に耳を澄ませる習慣を持つと、身体が意外なところからもたくさんのサインを発信していたことに気づき始めます。
ヨギやヨギーニが、健やかで容姿や表情もイキイキしているのは
毎日の中に、身体とのコミュニケーションの時間を取り入れてるからにほかなりません。
健康に関する情報が、迷子になりそうなくらい次々とあふれてきますが、
自分にとってもっとも頼りになる情報は、すでに身体の内側にあって、受信されるのをただただ待っているのです。
- Noriko -