自分が自分のままではいけない時がある その1。

もしも私が、どうしようもなくダメダメな人間だったとして、他人から

「オマエはダメなやつだな~」と言われたならば、素直に認めざるを得ないこともあるかと思います。

 

けれどもしも、どうしようもなくダメダメな私を見た他人から、

「オマエの親は何を教えてきたんだ? ろくな育て方をしなかったんだろうな。」と言われたら、おそらく私は我慢ができないと思います。

 

自分は何を言われてもいいけれど、私を見て親を想像されるのであれば、シャンとしなければいけないと思います。

 

 

自分は誰かの写し鏡だったりする、そんな話です。

 

ある日友人が、大学時代の友達の結婚式に行った時の話をしていました。

招待された客の中には当時付き合っていた元カレがいたと言います。

 

二人が付き合っていた頃の彼は結構イケメン。

なのに私服のセンスが、それはそれは「ダサダサすぎて〜!」と、いつも彼女が彼のコーディネーターになって、服やら靴やらを一緒に買いに行っていたそうです。

 

結婚式で再会した彼。変わらずイケメンだったそうですが、着ているスーツのセンスも変わらず、びっくりするほど残念だったと...

 

今は二人とも結婚し、互いに幸せに暮らしているのですが、彼女が妬きもちまじりに、私にこう言いました。

 

「今の奥さん、気にしてあげてないんだわよ!」

 

 

勝手な想像されちゃうあちらの奧さん、大きなお世話でごめんなさい。

けれど”旦那の身だしなみは女房の人となりを表すものだ”、と言いたいのであれば、彼女の気持ちも理解できます。

 

なぜなら同じことを、母からよく聞かされていたからです。

 

 

 

 

母は昔から、父の靴がちょっとでもくたびれてきたら、すぐに「買いに行くよ!」と父を連れ出そうとします。

 

私が「またお父さんの靴買うの?たまには自分の靴を買ったらいいじゃん!」と言うと、母は

 

「お父さんの靴が汚いと、女房の私が疑われるのよ。他人はそういう目で見るってこと、覚えておきな!」とよく説かれました。

 

かたや父。母に連れ出されるとなると

 

「面倒くせぇなぁ、オレは靴なんてどうだっていいのによ! けどな、母ちゃんがそういうんだから、仕方ねぇよな!」

 

と、自分はどうでもいいと言いながら、母のプライドを守ろうとする父はどこか嬉しそうに母に連れられて出かけていきます。そのやり取りを見て、自分の親ながら、いい夫婦だなぁ~といつも思っていました。

 

 

 

一方で、父のプライドを母が守った出来事は、我が家の深刻な時期のある日に起こりました。

 

 

続きはまた。